パリの地下鉄構内でバスキング(路上演奏でお金を稼ぎます)の
ライセンスを取る方法、というか募集をしているフランスのサイトを
いつだったか見たことがあります。
ロンドンでも2003年からライセンス制度が導入されているそうです。
私はN年前、26歳のときに初めての海外旅行でロンドンに行きました。
高くなったとぼやいていたポンドも、今と比べたら格安レートでした。
そのときの滞在は、2週間ほどだったか...。
12月末で暗くてものすごく寒かったし、親戚の家で監視の目が厳しく、
海外に来るのはこれが最初で最後かなと思っていました。
が、その5ヶ月後には、またロンドンに行くことに。
ひょんなことで、ある音楽事務所の偉い人と知り合い、ロンドンで会い
ましょうなんて話に。自分のことではないような過去です。
色々あって何度かロンドンに行き、3か月ほどアパートメントを借りて
楽器のレッスンを受けたり...頻繁にロンドンに行ってました。
その頃もバスカーはいたけれど、ライセンス制度というのはなくて、
勝手に弾いてるだけ。
で、ライセンス制度が導入されてから日本人で初めてライセンスを取得
して地下鉄構内でバスキングをしていたギタリストの土門秀明さん。
この方が書いたのが、『地下鉄のギタリスト』という本です。
ユニークな文体やエピソードに笑えたり、ほろっと涙ぐみそうになる話が
あったりと気楽に楽しめる本でありながら、お金をもらって人に聴いて
もらう音楽ってこういうことでもいいんだ...と真面目に考えさせられる本
でもあります。
まだ読んでないストリートミュージシャンなどには、特におすすめです。
ロンドンに通った3年くらいの間、行く度に偶然出会って声をかけてくる
おじいちゃんがいました。
日本でも私は、よく老人に声をかけられたので、お年を召した人にとって
親しみやすい昔風の顔なのかもー。
ロンドンのおじいちゃんは、前に私に声をかけたことを覚えてるわけでは
ありません。でも、こっちとしては、全く別の場所で同じ現地人と出逢って
前と全く同じ会話をする羽目になったりすると、ドキドキです。
「日本人か?」「俺は昔船乗りで日本に行ったことがあるんだよ」と
このくらいは(外国では)他のおじいさんでも同じことを言ってきますが、
「このガムはシュガー・フリーでね…」と板ガムを一枚差し出してくれる
いつものシーンになったとき、何だか居たたまれない心境になって
「えっと…行かなくちゃ」と作り笑いで退散したときもありました。
そんなことを未だに私に後悔させるインパクト大のおじいちゃん。
今はどうしていることか…。
ところで、今日本から海外に飛ぼうとすると、座席代とは別に燃料費
として4万円ほども請求されるそうですね。
これは、往復料金なのでしょうか。片道料金なのでしょうか。
いずれにしても、生きているうちにアイルランドに行けるか自信が
なくなってきました。
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