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ケルティック・ハープで伝承曲を演奏しています。最近は、路上や公園のベンチでのんびり弾くことも多くなりました。
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プロフィール

HN:
こと座
年齢:
56
性別:
女性
誕生日:
1969/03/07
職業:
ケルティックハープ奏者
趣味:
旅、読書、祭り
自己紹介:
ケルティックハープで、ケルト民族の伝承曲を中心に演奏活動を行っています。

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2週間ほど前に、『きけ、わだつみのこえ』を古本屋で偶然見かけました。
偶然見かけたというよりは、エンケンさんが出演してたっけ...というデータが
脳内にインプットされていたから目に飛び込んできたんだろうけど。
映画『きけ、わだつみの声』の原作小説かなと思っていたので、手に
取って開いてみたとき、少なからずショックを受けました。
この本は、第二次世界大戦末期に学徒出陣した日本の大学生達の遺稿集
なのです。出陣した学生の名前と、彼らが書いた遺書が収められているわけ
です。
この本と同様に東京大学の戦没学徒兵の遺稿集として出版された『はるか
なる山河にて』も『きけ、わだつみのこえ』の側に陳列されていたのですが、
そのうち映画を見ることができた後でも残ってるかなと思ったので買わずに
店を出たら、数日後に再訪したときには両方とも売れてしまっていました。

映画『きけ、わだつみの声』は、1995年上映の出目昌伸監督版を見ました。
緒方直人さん演じる学生ラグビーの選手が試合中にタックルした直後気を
失い、彼を囲む見知らぬ3人の学生選手に気付きます。誰かと問うと「自分
達も同じ大学生だった…ただし、昔の…。」という答えを聞いたあたりで、
有介はタイムスリップしてしまうのです。
タイムスリップした先は、昭和18年10月21日の明治神宮外苑競技場で開催
された学徒出陣壮行会の場面。毎夏、花火大会をやるあそこです。
緒方直人さん演じる鶴谷有介という学生は壮行会参加後、実家に戻り徴兵
から逃げ出しますが、たった一人の若者が徴兵を拒否して逃走するのを追う
軍人や村人達の数が100人はいるだろうという多さで、その人達が必死に
なって離れ小島を捜索したりする姿にぞっとします。
鶴谷有介と共に壮行会に参加した他の学生である織田祐二さんと風間トオル
さんはフィリピン戦線へ出征し、中村トオルさんは空軍にて訓練を受けた後に
特攻隊に志願することになります。
戦争で強制的に戦わせられて殺された人達は勿論こういう学生ばかりではなく、
沖縄では中学生までもが徴兵され、遺書の提出など求められることもないまま
多くが戦死していったということですが、映画で描かれる学徒兵達の運命を
覚悟した表情には、自分が生きてきた土地や触れ合ってきた人達を守りたい
という一途な決意があるようで、やはり戦争により損なわれたものの大きさを
感じさせられます。
ところで、フィリピンに従軍慰安婦として連れてこられて逃げ出した女の子が
出てくるけど、あんな風にちゃんとお金もらえたんだろうか。

エンケンさんは、多分どこかで狂気が目覚めて安らかな気持ちになれなくなって
しまった中尉役で、フィリピン戦線で織田祐二さんや風間トオルさん、従軍看護
婦の鶴田真由さんと出会います。ちょっとした悪人で、こういう人は上手くして
日本に帰還できたとしても、B級戦犯として処刑されることになったんじゃないか
と思います。どういう悪人かは、映画で確かめてみてください。フィリピンの山奥
で残虐な行為をしながらたくましく生き抜いてきた人なので、ヤクザなどの悪さ
とはまた違うずるさを持った鋭い目つきで威嚇してくれます。ほんとは、どこかで
違う気持ちに目覚めて、無事に帰国してほしかったですけど。。。

映画を見ながら何度も「無駄死に(犬死にって、犬がかわいそうで使えない)」
という言葉が浮かんだけど、日本兵がどれだけ恐れられたかを思い起こすと
戦いの良し悪しは別として、かつての多くの日本の若者が誰かを守るという
名目で戦ったことに、少なからず今の私たちは恩恵を受けているのではないか
と思えて、「無駄死に」という言葉を何とか追い払おうとしました。
でも、戦争はまったく無益で大損するばかりのことです。
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